御祖父おじい)” の例文
貴女あなたも支那のお話がお好きですか。御祖父おじいさんが漢学者だったから……ああそうですか。それじゃ聞かして上げましょうとも。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
けれども惣体そうたいがいかにも落ちついて、すべるように楽しんで僕の前を流れて行きました。僕は静かにその影を見送って、御祖父おじいさんの若い時分の話というのを思い出しました。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御祖父おじいさんは銅壺どうこの中に酒をいっぱい入れて、その酒で徳利とくりかんをしたあとをことごとくてさしたほどの豪奢ごうしゃな人だと云うから、銀扇の百本ぐらい一度に水に流しても平気なのでしょう。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)