御気ごき)” の例文
旧字:御氣
「ご懇意という程でもないが——主人の使いなどで、しげしげ参るうちに、あのように御気ごきさくなので、いつのまにか、馴々なれなれしゅう伺っておるので」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お座敷へと申すところですが、御気ごきさくにこちらでおくつろぎくださいまし……三間みまともとってはございますが」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
御気ごきわったら御勘弁。一ツ差上げましょう」とさかずきを奉まつる。「草葉の蔭で父上が……」とそれからさわりで行くところだが、あの時はどうしてあの時分はあんなに野暮天やぼてんだったろう。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)