御服装おみなり)” の例文
「まあ、奥様の御服装おみなりは……意気なことは意気で御座いますが……おめかけさんか何ぞのようじゃ御座いませんか」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こんなくるしい道中どうちゅうのことでございますから、御服装おみなりなどもそれはそれは質素しっそなもので、あしには藁沓わらぐつには筒袖つつそで、さして男子だんし旅装束たびしょうぞく相違そういしていないのでした。
新宅は又た東京風。家の構造つくりを見比べても解るのです。旦那様は小諸へ東京を植えるという開けた思想かんがえを御持ちなすった御方で、御服装おみなりも、御言葉も、旧弊は一切御廃し。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)