御年貢おねんぐ)” の例文
御年貢おねんぐ皆済目録、馬籠宿駅印鑑、田畑家屋敷反別帳たんべつちょう、その他、青山の家に伝わる古い書類から、遠い先祖の記念として残った二本のやり
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
信州の御料所から御年貢おねんぐの金が七千両来た、役所へ預けて改めて御金蔵へ納めるのだ、その時おれに番人を兄貴が言いつけたから番をしていると、可六が言うには
『……そうか、御年貢おねんぐの事で、おくら役所まで参ったのか。よく寄ってくれた』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尾州藩でも決して黙ってみちゃいない。ごらんな、馬籠の村のものが一同で嘆願して、去年なぞも上納の御年貢おねんぐを半分にしてもらった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『今日は御年貢おねんぐを納めるやうにツて、奥様おくさんおつしやりやして——はい、弟の奴も御手伝ひに連れて参じやした。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かねて馬籠の村民一同が嘆願した上納御年貢おねんぐの半減も容赦され、そのほかにこの際は特別の場合であるとして、三月には米にして六十石、この金高百九十両余がほどを三回に分け
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)