後景こうけい)” の例文
これらの山水画的後景こうけいは清長歌麿に及びて益〻進歩し、遂に北斎広重に至つて純然たる山水画をなせり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この特色は風俗画に至りて最も著しく婦女の姿態と家屋路地ろじ等の後景こうけいを配合せしむる事すこぶる巧妙なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
不自然なる姿勢は幽婉のさかいを越えてしばしば神秘となり、これに配置せられたる単純なる後景こうけいはあたかもパストラル曲中の美なる風景に等しく両々相伴うて看者の空想を音楽のうちに投ぜしむ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)