彩雲さいうん)” の例文
この朝の彩雲さいうんはすばらしい。いちめんなあしは、紫金青銀しこんせいぎんの花を持つかと疑われ、水は色なくして無限色をたたえる瑠璃るりに似ていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御猟みかりの供は十万余騎ととなえられた。騎馬歩卒などの大列は、蜿蜒えんえん、宮門から洛内をつらぬき、群星地を流れ、彩雲さいうんをめぐって、街々には貴賤老幼が、されるばかりに蝟集いしゅうしていた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百千の花燈かとうをとぼし、河北かほく一のお茶屋と評判な翠雲楼すいうんろうときては、とくに商売柄、その趣向もさまざまであり、花街の美嬌びきょう絃歌げんかをあげて、夜は空をがし、昼は昼で彩雲さいうんとどめるばかり……。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)