引拭ひきぬぐ)” の例文
とにかく、来客——跣足はだしのまま、素袷すあわせのくたびれた裾を悄々しおしおとして、縁側へ——下まではびこる南瓜の蔓で、引拭ひきぬぐうても済もうけれど、淑女の客に、そうはなるまい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)