“府内（ふない）” の例文
それはそれとして、このお藤は、先年来十里四方お構いに相成りおるはずなのが、目下江戸府内（ふない）に潜入しておる形跡（けいせき）があると申すではないか
丹下左膳：01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) ／ 林不忘(著)
「とくと、勘考（かんこう）仕（つかまつ）りますが、府内（ふない）へ到着するまでには、未（ま）だ未だ余日（よじつ）もあること。到着の上にて——」
大岡越前の独立 (新字新仮名) ／ 直木三十五(著)
結構なご府内（ふない）をゴミゴミと、きたなくするなあてめえ達だ！　どうするか見やあがれ罰あたりめ！
剣侠受難 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
で、この夜もただ一人府内（ふない）の動静を探ろうとして、こうして歩いているのであった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)