年配とし)” の例文
入口から見透しの六疊ににじり入つて、つゝましく挨拶した紀久榮は、四十二、三といふ年配としよりは、一世代も若く見える、非凡の女でした。
けだし、この年配としごろの人数ひとかずには漏れない、判官贔屓ほうがんびいきが、その古跡を、取散らすまい、犯すまいとしたのであった——
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
拙者生れてより、今この年配としで、人見知りはしないというのに、さらさら三方をカーテンで囲って
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)