干鱈ほしだら)” の例文
バラックの楽園に住みつくようになってから、石田氏は急に爺むさくなり、日乾しのきいた干鱈ほしだらの枯淡な風情で、人間らしい情緒などは、どこからも感じられなくなってしまった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
食物としては米、味噌が主で、味噌の実にはそこらに生えている植物をつかった。罐詰かんづめ類は重いので、せいぜい福神漬か大和煮を、それもたくさんは持っていかず、動物性蛋白たんぱく質は干鱈ほしだらだった。
飢えは最善のソースか (新字新仮名) / 石川欣一(著)