常木鴻山つねきこうざん)” の例文
そこには、お三輪みわ乙吉おときちが、預けられていた。そして常木鴻山つねきこうざんは、居所もさだめず、何かの画策かくさくのため、奔走ほんそうしているという。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「見忘れておるのももっとも、もう十年も以前に、そちや多くの召使にいとまをつかわした頃から浪人いたしておる元天満与力てんまよりき常木鴻山つねきこうざんじゃ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分はお千絵様に会うことを一時思い止まって住吉村にある常木鴻山つねきこうざんへ、事態の急変を知らせたいという気持を述べた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず俵同心、近頃ではこの鳩を、わが分身のごとくあやつり、腹心の人、常木鴻山つねきこうざんの所へ文使ふみづかいさせたり、万吉を呼びにやったり、妹の所へ飛ばせたりする。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時雨堂しぐれどうから、危うく逃れた目明し万吉。この変事を、住吉村にいる常木鴻山つねきこうざんへ知らせようとして、ヘトヘトになりながら、折も折、この山越えにかかってきた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
常木鴻山つねきこうざん松平左京之介まつだいらさきょうのすけのほかは、誰も知らぬまに、代々木荘を出立したかれである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そして、よく私を慰めて下さった、常木鴻山つねきこうざん様は?」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)