帰命きみょう)” の例文
最後に普賢菩薩ふげんぼさつに会って、阿弥陀如来に帰命きみょうするということになっているのでありますが、そういうようなことも遍歴であります。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
決して南無は「帰命きみょう」を意味し、阿弥陀は「無量光むりょうこう」とか「無量寿」とかを現わし、仏は「覚者かくしゃ」を指すなどと、一々理智的に考えて口ずさむのではありません。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
この点から考えると、世の一人生観に帰命きみょうして何らの疑惑をも感ぜずに行き得る人は幸福である。ましてそれを他人に宣伝するまでになった人はいよいよ幸福である。
今日からはとうてい信ぜられないような伝説を信じ、そこに一心帰命きみょうして悔いなかった。僕らはいま太子に関する正確な史料を所有している。あらゆる考証はゆきとどいている。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
天親菩薩てんじんぼさつは、千部の論師といわれたお方なれど、往生の一段にいたっては、あまねく諸〻もろもろの衆と共に、安楽国に往生せん——と、一心に尽十方無碍光如来じんじっぽうむげこうにょらい帰命きみょうしたまい、曇鸞大師どんらんだいし
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それによってわれわれは愚であるとか、あるいは知恵があるとか、悪いことをしないとかいうことではなく、神なら神に捧げる。帰命きみょうするということ、そのことだけによって救いになる。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
とはいえ、一山の大衆もまた、われわれ武臣も、いずれか皇土の臣でないものはない。かくの如き争乱は、みな宸襟しんきんを悩まし奉るものである。——大悟せられよ、僧は僧に帰命きみょうせられよ。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一心に帰命きみょうしたてまつり
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一念帰命きみょうの苗を植え
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)