師家しけ)” の例文
これはお師家しけさんが何か深甚の意味をぐうするために、手真似を以て公案を示しているのだと解する者もありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
紀州鷲峰山じゆぶせん興国寺の開山法燈国師が八十七歳を迎へた時のことだつた。多くの弟子達は、師家しけの達者なうちにその頂相を残しておきたいものだと思つて、なにがしといふ彫師ほりしにそのことを依頼した。
「塩山の恵林寺へ参りましてな、あそこの師家しけの慢心和尚に、相談をかけようと致したが、和尚に追い出されて、またスゴスゴとここまで戻って参りました」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それがお師家しけさんで通るのだから、大した学問とか隠れたる徳行とかいうものを持っているのかと思えば、それが大間違いであります。学問は門前の小僧よりも出来ない人でありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし、いやしくも宗門の師家しけとしてそんなことがあろうはずはありません。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)