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いちなか
とにかく山の手は御存じの如く都の中にても
桃隣が「
市中や木の葉も落す富士
颪」の一句あり冬の西風と秋の西日
禁物に有之候。
両側に
見好げなる
仕舞家のみぞ並びける。
市中の中央の極めて
好き土地なりしかど、この町は一端のみ大通りに
連りて、一方の口は
行留りとなりたれば、往来少なかりき。
市中は殘る暑さを樫の森や月あかうして向ひ墓原
市中は物のにほひや夏の月
凡兆
市中は残る暑さを樫の森や月あかうして向ひ墓原
市中は物のにほひや夏の月
凡兆
よき翁父の寂びたる
老樂は
市中ながら山の手の松
よき翁父の寂びたる
老楽は
市中ながら山の手の松