市中いちなか)” の例文
とにかく山の手は御存じの如く都の中にても桃隣とうりんが「市中いちなかや木の葉も落す富士おろし」の一句あり冬の西風と秋の西日禁物きんもつに有之候。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
両側に見好みよげなる仕舞家しもたやのみぞ並びける。市中いちなかの中央の極めてき土地なりしかど、この町は一端のみ大通りにつらなりて、一方の口は行留ゆきどまりとなりたれば、往来少なかりき。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
市中いちなかは殘る暑さを樫の森や月あかうして向ひ墓原
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
市中いちなかは物のにほひや夏の月 凡兆
天狗 (新字新仮名) / 太宰治(著)
市中いちなかは物のにほひや夏の月 凡兆ぼんちょう
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
市中いちなかは残る暑さを樫の森や月あかうして向ひ墓原
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
市中いちなかは物のにほひや夏の月 凡兆ぼんちょう
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
よき翁父の寂びたる老樂おいらく市中いちなかながら山の手の松
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
よき翁父の寂びたる老楽おいらく市中いちなかながら山の手の松
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)