巨鯨きょげい)” の例文
いや、長益と雄利には、巨鯨きょげいが、春のうしおにのって、水と空の一線へ、模糊もこと、かくれて行ったように見えた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は、その三重の帆を海鳥の翼のごとく広げ、しかもそれでも足りないで、両舷の火輪かりんを回して、やや波立っている大洋を、巨鯨きょげいのごとく走っているのだった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)