巧過うます)” の例文
「……蔡兄弟からも、さきに呉へ帰った闞沢かんたくからも、かように申し越してきたが、ちと、はなしが巧過うますぎるきらいもある。さて、これへの対策は、どうしたものか」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「憎い奴等だ。地獄の釜の中へ、逆樣さかさまに叩き込み度いほど憎い奴等だが、仕組みが巧過うますぎて、手も出せない——口惜しいがになる證據が一つも無いのだよ」
ある時、子貢が二三の朋輩ほうばいに向って次のような意味のことを述べた。——夫子は巧弁をむといわれるが、しかし夫子自身弁が巧過うますぎると思う。これは警戒けいかいを要する。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)