工手間くでま)” の例文
嫌否いやなものなら貰いますまい。女ひでりはしはしまいし。工手間くでまかかるんなら破談にするぜ。と不興の体に得三は苛立いらだちて
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それに毀れた方はざっとした菫花すみれの模様で、焼も余りよくありませんが、こちらは中は金襴地きんらんじで外は青華せいかで、工手間くでまもかかっていれば出来もいいし、まあ永楽といううちにもこれ極上ごくじょうという手だ
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
是で高い工手間くでまを取ろうとは盗人ぬすっとよりふてえ了簡だ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
混氣まざりけのない心持のよい色だけで、身裝を飾るといふ事が出來なくなつたらしく、色の上にぼかしをかけて、ぼかし過ぎた部分へまた白粉の極彩色、工手間くでまのかゝつた
お花見雑感 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)