“峭壁”の読み方と例文
読み方割合
しょうへき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不動瀑布は殷々いんいんとして遠雷のような音をたてているが、断崖峭壁しょうへき囲繞いにょうされているのでその本体を見ることが出来ぬ。
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
武尊ほたか山の峭壁しょうへきに住んでゐた野猿を猟師から買ひ受け、その唇を味噌煮にこしらへて食べたことがあるが、軽い土臭と酸味を持つてゐて、口では言ひ現せぬ魔味を感じたのであつた。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
わたしはだいたいこういう景のところであろうとつねから考えていたのである。それは峨々ががたる峭壁しょうへきがあったり岩を奔湍ほんたんがあったりするいわゆる奇勝とか絶景とかの称にあたいする山水ではない。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)