山県昌景やまがたまさかげ)” の例文
だが、各〻が隊へ帰ってゆく中で、ひとり山県昌景やまがたまさかげは、行軍のうえに薄ら寒く曇っている冬の陽を仰ぎながら、口のうちでこう嘆じていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これに対して武田勢は、先陣に小山田信茂おやまだのぶしげ山県昌景やまがたまさかげ内藤昌豊ないとうまさとよ小幡信貞おばたのぶさだら。だい二陣に馬場信春ばばのぶはる、武田勝頼かつよりら。信玄の本隊はその後づめとなり、魚鱗ぎょりんの陣形をもって南下しきたった。
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
殺到して、ほりのまぢかまで、まっ黒にせて来たのは、甲軍の馬場美濃守みののかみの隊、山県昌景やまがたまさかげの隊など、気負い立った精鋭だった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
可惜あたらといえば……朝から左翼で善戦していた信玄以来の股肱ここうの将、山県昌景やまがたまさかげもはや戦死したと聞え渡った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山県昌景やまがたまさかげが、しまったと叫んだことすら遅すぎる。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)