居辛ゐづら)” の例文
八重田数枝のところに居辛ゐづらくなつて、そうして、こんどは僕の家へ飛び込んで来て、自惚れちやだめよ、仕事の相談に来たの、なんて、いつもの僕なら
火の鳥 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
自分は決していやだとも居辛ゐづらいとも、そんな妙な心持にはならなかつたであらう。
或夜 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
さうかと言つて、黙つて何も言ひかけずにつゝしんでゐると、女の方では心配でたまらないと云ふやうな顔をして、機嫌を取らうとすることもある。桑田はいよ/\居辛ゐづらくてたまらなくなつた。
人妻 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)