小米こよね)” の例文
「今もネ、花ちやん」と丸井老人は真面目顔「例の芸妓殺げいしやころし——小米こよねの一件について先生に伺つて居た所なんだ」と言ひつゝさかづき差しいだ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ぼたんが小米こよねになった。おしょさんのうちへあそびに来た。いつも楽屋や舞台で、知りきった顔なのに、この少年は背広を着てきて、キチンと座っている。一言も口をきかない。
多くの新聞には、兼吉が是れ迄も数々しば/\小米こよねと云ふ婦人に金の迷惑を掛け、今度の凶行も、婦人が兼吉の無心を
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
今ま貴女のおほせられた金山と言ふ大名華族の老人が、其頃小米こよねと申す婦人を外妾めかけの如く致して居たので、雇主やとひぬし——其の芸妓屋げいしややに於ては非常なる恐慌きやうくわうきつし、又た婦人の実母はゝからは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)