小束こづか)” の例文
つゞいて焼香の家康が黙祷を終つて小束こづかをぬいて大きな手で頭を抑へてヂョリヂョリとやりだしたので一座の面々目を見合せた。各々覚悟をかためて焼香のたびに髷をきる。
我鬼 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
四隣あたりに人無きを見済まして乙女の背後より追ひ縋り、足音を聞いて振り返る処を、抜く手を見せず袈裟掛けさがけに斬り倒ふし、衣服を剥ぎて胸をあらはし、小束こづか逆手さかでに持ちて鳩骨みぞおちを切り開き
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)