小式部こしきぶ)” の例文
地蔵院の住職森徹信もりてっしんは、仔細しさいにその偶人を調べて見た。偶人の箱に古風な筆蹟ひっせき小式部こしきぶと書いてあった。
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こうがいの頭がありきたりの耳掻き形じゃなくて、紅い卍字鎌の紋になっているだろう。それが、朋輩だった小式部こしきぶさんの定紋で、たしか、公方様お変りの年の八朔はっさくの紋日だと思ったがね。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
小式部こしきぶが言下に歌をんだとか曹建そうけん七歩しちほの詩を作ったという事は習い覚えていますけれども怪我をした時即座の応急療法をほどこすというような実用の学科は一つも習った事がありません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
さうしてゆめ小式部こしきぶた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)