るとき塾の小幡仁三郎おばたじんざぶろうと誰か二、三人で散歩中、その廃刀を何処どこかの壮士に見とがめられて怖い思いをした事もある、けれども私は断然廃刀と決心して、少しも世の中に頓着とんじゃくせず
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いわんや老少不常にして、先年すで小幡仁三郎おばたじんざぶろう、藤野善蔵ぜんぞう蘆野あしの巻蔵、村尾真一、小谷忍おたにしのぶ、馬場辰猪たつい等の諸氏をうしない、又近年に至りては藤田茂吉もきち、藤本寿吉じゅきち、和田義郎よしろう、小泉信吉のぶきち、野本貞次郎さだじろう
時に本塾の教員小幡仁三郎おばたじんざぶろう(小幡篤次郎の実弟。明治四年亜米利加に遊学中不幸にして同六年彼地に物故。)この事を聞き、走て塾の広間に出て、顔色を変じ目をいからして同窓の諸友に告ていわ
故社員の一言今尚精神 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)