小屋こいえ)” の例文
自分は家族を連れて鎌倉に暑さを避け、山に近き一小屋こいえを借りて住んでいた。ある夜のこと、月影ことにえていたのでひとり散歩して浜に出た。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
親族会議の方では、ふる門前裏の小屋こいえに、抱え主、親元、小野亭からも人が来て、つまるところは、金高で手をひくように吹っかけたらということになった。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
裏の百姓家も植木師をかねていたので、おばあさんの小屋こいえの台所の方も、雁来紅はげいとう天竺葵あおい鳳仙花ほうせんか矢車草やぐるまそうなどが低い垣根越しに見えて、鶏の高くときをつくるのがきこえた。