寂莫じゃくまく)” の例文
雪の上は灰色に凍って、見渡すかぎり、寂莫じゃくまくとしている。その時私の母は四十幾つであった。脊の低いやせた人柄であった。私はいまだに当時のあたりのいたましい景色が身に浸みていて忘れられない。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)