寂滅為楽じゃくめついらく)” の例文
旧字:寂滅爲樂
あの「いろは」歌でいえば、「あさきゆめみじ、ゑひもせず」という最後の一句は、「寂滅為楽じゃくめついらく」という「涅槃ねはんの世界」をいったものです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「いや、主観的にさ。何も彼もなくなってしまえば、実際寂滅為楽じゃくめついらく。坊主は流石に専門家だ。うまいところを捉えている。羨ましい境地じゃないか?」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
しかもその地獄から解脱するには、寂滅為楽じゃくめついらく涅槃ねはんに入るより仕方がないのだ。南無阿弥陀仏なむあみだぶつ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と、何遍唱えたところでピリヨードがない。
老年と人生 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
夕べあしたの鐘の声、寂滅為楽じゃくめついらくとひびけども……
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
後夜の鐘をつく時は、是生滅法ぜしょうめっぽうと響くなり。晨朝じんじょう生滅滅已しょうめつめつい入相いりあい寂滅為楽じゃくめついらくと響くなり。聞いて驚く人もなし。われも後生の雲はれて、真如しんにょの月をながめあかさん
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「寂滅を以て楽となす」すなわち寂滅為楽じゃくめついらくなどというといかにも静かに死んでゆくこと、すなわち「往生おうじょうする」ことのように思っている人もありますが、これは決して
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)