宿籠しゅくかご)” の例文
文政九年の十二月に、黒川村の百姓が牢舎ろうや御免ということで、美濃境まで追放を命ぜられたことがある。二十二人の人数が宿籠しゅくかごで、朝の五つどき馬籠まごめへ着いた。師走しわすももう年の暮れに近い冬の日だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)