家尻切やじりきり)” の例文
ありゃお前悪い料簡りょうけんだぜ、巳之はあれから身を持ち崩して、泥棒、家尻切やじりきり、人殺しまでやるそうだ、言わば十二支組の面汚しさ。
女は柳橋の小雛で、男は秩父の熊吉、この熊吉は巾着切きんちゃっきりから仕上げて、夜盗や家尻切やじりきりまで働いた奴、小雛はそれと深くなってしまって、土地にもいられないような始末になる。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人心噪然そうぜんとしてたださえ物議の多い世の様、あらぬ流言蜚語りゅうげんひごたくましうする者の尾に随いて脅迫ゆすり押込おしこみ家尻切やじりきり市井しせいを横行する今日このごろ、卍の富五郎の突留めにはいっそうの力を致すようにと
家尻切やじりきりから、人殺しまでするようになり、十二人別れ別れになってしまったという話はお前も聞いているはずだ