官途かんと)” の例文
安宅先生の手引で、F——学園の園芸手に住み込まれるようになってからは、家族の二人は、まるで息子が立派な官途かんとにでも就いたような歓びであった。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
官途かんとにもつかず、開業もせず、奇怪千万な研究に没頭していたからでもあろうし、又、私はといえば、恋に狂った文学青年みたいな男だったものだから、警察では、私達を
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
およそ官途かんとにある者のすべてが、下は上へ、上はそのまた上へと、一年一度の義理を果たしに出かけるのはさらに当然なことなので、すなわち伝六は右門のところへ、右門はお奉行ぶぎょうのところへ