安易らく)” の例文
他人ひとのことを美人だなどと言ふくらゐなら、いつそ悪魔と接吻でもする方がよつぽど安易らくなはずぢやが——その哥薩克娘カザーチカのふくよかな頬が見るからに瑞々みづみづしくて
お部屋方の遠縁へ引取られなさいましたのが、いま、お話のありました箔屋なのです。時節がら、箔屋さんも暮しが安易らくでないために、工場こうば通いをなさいました。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
年に二度ミルゴロドへ出むく方がよつぽど安易らくなんで、ところが、そのミルゴロドの地方裁判所の監督書記にも、あすこの偉い和尚にも、もう五年このかた頓と会はないやうな次第でな。