“孰（どち）” の例文
青木君の死の責任が孰（どち）らにありませうとも、青木君が貴女（あなた）を恨んで死んだ以上、青木君の弟に対して丈（だけ）は、慎んでいたゞきたいと思ふのです。
真珠夫人 (新字旧仮名) ／ 菊池寛(著)
陶器と石とは孰（どち）らが面白いかと言えば、味の細かいことは到底陶器には及ばないが、一味通じた底寂しい風韻枯寂の気がながれ合い、ときに陶器に見味うことのできぬところに
庭をつくる人 (新字新仮名) ／ 室生犀星(著)
ロミオ　孰（どち）らでもない、卿（そもじ）が嫌（きら）ひぢゃと言（い）やるならば。
ロミオとヂュリエット：03 ロミオとヂュリエット (旧字旧仮名) ／ ウィリアム・シェークスピア(著)
青木君の死の責任が孰（どち）らにありましょうとも、青木君が貴女を恨んで死んだ以上、青木君の弟に対して丈は、慎んでいたゞきたいと思うのです。
真珠夫人 (新字新仮名) ／ 菊池寛(著)
がどこまで孰（どち）らが真実であるかが分り兼ねるような気がした。
童子 (新字新仮名) ／ 室生犀星(著)
さう云つて、夫人は信一郎を麾（さしま）ねいた。孰（どち）らかと云へば、小心な信一郎は、多くの先客を押し分けて、夫人の傍近く坐ることが、可なり心苦しかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) ／ 菊池寛(著)
そう云って、夫人は信一郎を麾（さしま）ねいた。孰（どち）らかと云えば、小心な信一郎は、多くの先客を押し分けて、夫人の傍近く坐（すわ）ることが、可なり心苦しかった。
真珠夫人 (新字新仮名) ／ 菊池寛(著)
否か応か、孰（どち）らかの返事をして下さればいゝのです。貴女（あなた）が、今まで僕に示して下さつたいろ／＼な愛の表情に、たゞ裏書をさへして下さればいゝのです。
真珠夫人 (新字旧仮名) ／ 菊池寛(著)
否（いな）か応か、孰（どち）らかの返事をして下さればいゝのです。貴女（あなた）が、今まで僕に示して下さったいろ／＼な愛の表情に、たゞ裏書をさえして下さればいゝのです。
真珠夫人 (新字新仮名) ／ 菊池寛(著)