娶合めあは)” の例文
五年越し辛棒に辛棒して居るのに、預けた家も地所も金も返さず、その上許嫁のお松まで取上げて、良助に娶合めあはせると思ひ込んだのだらう。
後ろから覗くやうに小腰をかゞめたのは、その繼娘で小牧家の一粒種、かつては甥の傳七郎と娶合めあはせようとしたお優でせう。
娘が二人、姉のお君に若い番頭の彌八を娶合めあはせることになつて、今晩は祝言。三々九度のさかづきが濟んで、彌八とお君は型の通り、別間に引取ると、思ひも寄らぬ騷ぎだ。
伜は勘當されて潮來いたこに居るし、許婚いひなづけのお延は、下女のやうにコキ使はれて居るし、居候の清五郎は娘のお吉と娶合めあはせさうにして、給金のない奉公人見たいに働かせるし
後で佐渡屋の總領娘で、品吉と娶合めあはせることになつてゐるお絹とわかりましたが、平次と母親の話を、何にか氣になる節があつて、娘だてらに盜み聽きしてゐた樣子でした。
行く/\は手代の清八と娶合めあはせて、丁子屋の跡取りにもといふ話もありましたが、近頃ハタとその沙汰の止んだのは、清八が女狂ひをするので、この娘に嫌はれたのだと言つたやうな
世間ではそれを清次郎に娶合めあはせることとばかり思ひ込んで居りましたが、どうしたことかそんな樣子もなく、半年ほど前から清水家に掛り人になつてゐる、お夏といふ十八になる娘と
それからもう一つ、四方屋の跡は誰に取らせるのかといふ問ひに對しては、手代の喜三郎は遠縁の者で心掛も人柄も惡くないし、お秀との仲も好いから二人を娶合めあはせて跡を取らせる心算つもり
福松に娶合めあはせるといふ噂もありましたが、そのまゝに流れてしまつたやうです。
傳七郎はお孃さんのおいうさんと娶合めあはせられて、小牧こまきの後を繼ぐことになつてゐたんだが、師匠の鶴吉との仲が知れて、伯父の大旦那にうんと小言を言はれた上、お優さんと娶合せることも
勝造は腹を立てゝ飛出し、お勇は女中とも居候ゐさふらふともなく踏止りました。ゆく/\は徳三郎に娶合めあはせようと言ふ話もありますが、年が違ひ過ぎるので、お勇の方では承知しさうもありません。
いづれ本人達の望みもたしかめた上、妹娘のお鳥に娶合めあはせるか、それとも、一度は髮まで切りましたが從姉妹いとこのお銀と一緒にして世帶を持たせるか——まア、そんなことはかないで下さい。
半次郎はすつかり改心して眞人間に返り、その心持を實行に移すために死んだ孫六の伜孫三郎に、妹のお梅を娶合めあはせて、翁屋の家督をゆづり、自分は蔭ながら翁屋の家業回復につとめました。
園江金次郎と娶合めあはせて、主水の後見で板屋家を立ててやり度いところだね
先代の總七が甥の菊之助をうとんじて、手代の千吉(後の總七)と娘のお信を娶合めあはせ、越前屋の跡取にしてからは、少し自棄氣味で遊び始め、時のはずみで、お粂のやうな鐵火者と一緒になりましたが
助十郎と娶合めあはせると言ひ出した