如法闇夜にょほうあんや)” の例文
甲府城下の霧の如法闇夜にょほうあんやに演出した一人芝居は、あれは生命いのちがけの剣刃上のことでしたから、前例にはなりません。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たちまち、そらの月影が、黒雲のうちにさえぎられると、裾野すそのもいちめんの如法闇夜にょほうあんや、ただ、ザワザワと鳴るすすきの風に、つめたい雨気さえふくんできた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
机竜之助が如法闇夜にょほうあんやの中に一人で立ち尽していたのは、その子供の泣く声を聞いたからであります。子供の泣く声が、だんだん自分に近く聞えて来たからであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
如法闇夜にょほうあんやふくろの森は、たちまち、その跫音あしおとと三人の影を吸ってしまった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
如法闇夜にょほうあんやの 玉門ぎょくもんじゃもの
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)