大鳥居おおとりい)” の例文
すると、ほどなく彼の前に、七、八だんはばのひろい石垣いしがきがあらわれて、巨人きょじんがふんばったあしのような大鳥居おおとりいもとがそこに見られたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅間社せんげんしゃの花崗岩の大鳥居おおとりいの立っている長谷通はせどおりも、安東寄りの片側はおおむね無事である。その通をがっかりして戻って来ると、平常に変らず店を開けている古本屋が先ず目についた。
はじかれたように思いだして、大鳥居おおとりいの上を見ると、南無なむ三、そこに立っていたはすでにぬき取られてあるではないか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ一も二里もさきがある勝負なら、なんとかそれだけの距離を取りかえすことができようが、たしかここから十二、三ちょうのぼった中腹ちゅうふくがれいの大鳥居おおとりいだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)