大館おおやかた)” の例文
藪原長者の大館おおやかたは木曽川に臨んだ巨巌きょがんの上にとりでのように立っていた。すそは石垣で畳み上げ、窓はあかがねの網を張り、おおかみより猛々たけだけしい犬の群は門々の柱につないであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
以前にまさる大館おおやかたが、もう八分どおり竣工しゅんこうしかけていた。門前町も、復興していた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵衛となったとは思わぬか! 気違いはおのれらよ! ……気違いよ気違いよ! ……藤が咲いた? 棚の藤が⁈ それこそめでたいめでたいめでたい! ……新築をした大館おおやかた
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
眼の前に大館おおやかたが立っていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)