大菊石おほあばた)” の例文
吉三郎はさう言つてプツリと口をつぐみました。松皮疱瘡まつかははうさうでひどい大菊石おほあばた、まだ若い盛りを何といふみにくい顏でせう。
この小さんは、美音で音曲にも長じてゐたが、ひどい大菊石おほあばたでその醜男ぶおとこが恐る可き話術の妙、傾城けいせい八つ橋の、花に似たかんばせの美しさを説くと、満座おもはず恍惚となる。
吉原百人斬り (新字旧仮名) / 正岡容(著)