大洞おおほら)” の例文
山口のダンノハナは大洞おおほらへ越ゆる丘の上にて館址たてあとよりの続きなり。蓮台野はこれと山口の民居を隔てて相対す。蓮台野の四方はすべて沢なり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大洞おおほら別荘の椿事ちんじ以来、梅子は父剛造の為めに外出を厳禁せられて、ほとんど書斎に監禁のさまなり、継母の干渉かんせふはげしければ、老婆も今は心のまゝに出入することあたはず、いもと芳子が時々来りては
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
七三 カクラサマの木像は遠野郷のうちに数多あまたあり。栃内の字西内にしないにもあり。山口分の大洞おおほらというところにもありしことを記憶する者あり。カクラサマは人のこれを信仰する者なし。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)