大晦日おおつごもり)” の例文
元日の夕方は、毎年、町屋は早く大戸をおろし、いずこの家も、大晦日おおつごもりのつかれを見せて、宵にはもう真っ暗に寝しずまるのが例だった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いえいえ、大晦日おおつごもりの夜からきょうまでも、母子おやこ四人、六波羅の眼をのがれ、生きながらえて来られたのは、あなた様のお慈悲でござりました」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして以後、三法師の擁護ようごを、信雄の任として、これを託し、同月二十九日、宝寺城に凱旋した。——帰って二日めには、はやその年の大晦日おおつごもりであったのである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうにおわせば、大晦日おおつごもりには追儺ついなの式、元日には清涼東階せいりょうとうかいの四方拝のおん儀、節会せちえ大饗たいきょうなど、さまざまな行事やら百官のとなえる万歳にことほがれ給う大君であり、あなた方であるものを
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とまれ、ことしも大晦日おおつごもりまで無事に暮れた。だが、あしたからの来る年は。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……するとです、ちょうど大晦日おおつごもりの真夜中、従兄弟の金王丸が、和子たちを背負い、あなた様を励まして、これへ上って見えました。……そして、父祖以来の恩返しは今する時だ。光厳頼んだぞ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大晦日おおつごもりの小酒屋での」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)