私は未だ見たことはないが、『御岳神社由来記』という本があって、それると祭神は大己貴命おおなむちのみこと少彦名命すくなびこなのみことで、宝亀六年に社殿を黒沢口に造営した。
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
祭神は大国魂命おおくにたまのみこと大己貴命おおなむちのみこと少彦名命すくなひこなのみことの三ばしらだ。神殿の前に立つと、私たちは皆濡れしずくの麦稈帽をった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
字は禄所ろくしょが正しいという説もあるが、本社祭神は大己貴命おおなむちのみこと相殿あいでんとして素盞嗚尊すさのおのみこと伊弉冊尊いざなみのみこと瓊々杵尊ににぎのみこと大宮女大神おおみやひめのおおかみ布留大神ふるのおおかみの六座(現在は大国魂おおくにたま神社)。武蔵むさしでは古社のうちへ数えられるのだ。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
是等の神が山其物を崇めたもので、当初から大己貴命おおなむちのみこと又は倉稲魂命うがのみたまのみことというように、祭神がいつかれていたものではなかったと思われることは、『延喜式』の祝詞のりとが之を語っているようである。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)