それから、また一方に同氏の調べた中に大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王の兜の前立が楠公の兜の前立と同様なものであろうという考証が付いたのです。
建武の頃から正平年間にわたる長い乱世にかけてこの御山みやまが、時には、大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王の戦勝祈願をこめらるる大炉たいろとなり帷幕いばくの密議所となり、また時には
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤地錦の直垂ひたたれに、色かんばしい緋縅ひおどしよろい、すなわちあさひ御鎧おんよろいを召された、大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王は、白磨きの長柄をご寵愛の家臣、村上彦四郎義光よしてるに持たせ、片岡八郎その他を従え
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今夜大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王様には、十津川とつがわの郷をお出ましになり、明日小原こはらに差しかかられまするが、大不忠の者あらわれて、大難にお遭いあそばさるる御相おんそう、未然にまざまざ現われたり。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(後の大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王)
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)