夕筒ゆうづつ)” の例文
この間も船は帆駛ほばしって行った。名残なごり夕筒ゆうづつも次第にさめ、海は漸次だんだん暗くなった。帆にぶつかる風の音も、夜に入るにしたがって、次第にその音を高めて来た。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここは外海の九十九里ヶ浜で、おりから秋の日暮れ時、天末を染めた夕筒ゆうづつが、浪たいらかな海に映り、物寂しい景色であったが、一隻の帆船が銚子港へ向かって、駸々しんしんとしてはしっていた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)