“夏蚕”の読み方と例文
旧字:夏蠶
読み方割合
なつご100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏蚕なつごで下葉からもぎとられて行つた桑は、今頭の方だけに汚ならしい葉をのこして、全体に透きながら間の抜けた形で風にゆらいでゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
そして帰る日の朝には、宿の川向かいの貧しい家に夏蚕なつごを飼っているのを勤労の心地で眺めたり、宿の寡婦の淋しい身上話をしみじみと聞いてやれるほどおちつきを得ました。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
夏蚕なつごから晩秋蚕まできぬを掃かなかったから、年末にはおそろしい窮乏に見舞われた。
藪落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)