売色くろうと)” の例文
旧字:賣色
段々肥立ひだって来た、売色くろうとあがりの細君の傍で、お島は持って行った花を花瓶かびんしたり、薄くなった頭髪あたまくしを入れて、つくねてやったりして、半日も話相手になっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何かほのかに引っかかるもののある感じのする売色くろうとにも、その場きりの軽い興味をもち得る機会が、長いあいだにはたまにあったとしても、女を愛する資格があるとは思っていなかったので
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)