壁隣かべどなり)” の例文
動かす響なり。初めは遠く、次第に近く、ついにはそのおと暖かに充ち渡りて、壁隣かべどなりの部屋より聞ゆるごとし。
官兵衛主従の泊っている木賃の隣は、こういう人々が息つぎに集まる居酒屋らしく、夜に入ってこれから眠ろうかと思う頃が、壁隣かべどなりでは、これからというにぎやかな盛りになって来るのだった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)