塗扉ぬりど)” の例文
そして二足ふたあし三足、静かに揺れ出した時である。じこめてある青い塗扉ぬりどのうちから、初めて、泣くのを許されたかのように、彼女のむせぶ声が、春の闇夜を、よよとれて行った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)