垂繩たらし)” の例文
それでも垂繩たらしから手を放さずにどうにかついて行く。とうとう六町たらずの海を泳ぎ渡って岸にあがった。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なわ垂繩たらしをつけた十尺ばかりの角材を海におろし、両端りょうたんをマレー人に支えさせておいてモニカを水に入れた。垂繩たらしにつかまらせると、四人のマレー人が前衛ぜんえい後衛こうえいになって、岸をめがけて泳ぎだした。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)