地酒じざけ)” の例文
この茶店ちゃやの小さいに似合わぬ繁盛はんじょう、しかし餅ばかりでは上戸じょうごが困るとの若連中わかれんじゅう勧告すすめもありて、何はなくとも地酒じざけ一杯飲めるようにせしはツイ近ごろの事なりと。
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この酒はどんなたちで、どう口当りがして、売ればいくらくらいの相場で、舌触りがぴりりとして、あと淡泊さっぱりして、頭へぴんと答えて、なだか、伊丹いたみか、地酒じざけ濁酒どぶろくかが分るため
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まるで地酒じざけを作る田舎家いなかやについている形ばかりの門と選ぶところがなかった。
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)