在房ありふさ)” の例文
いましも、式部の権ノ大夫在房ありふさを先に、宮は大廊下の中ほどまで歩まれてきたが、何か、一抹の不審にハッとその御眉は吹きがれたかのようだった。
宮の足もとを脂燭ししょくで照らしながら、かがみ腰で先にあるいていた式部の権ノ大夫在房ありふさは、中坪へ面する廊へかかると、雪がうッすらと通り道にまで吹きこんでいるところもあったので、そのたびには
と、宮はふと、在房ありふさの影をよびとめてたたずまれた。