土手際どてぎわ)” の例文
君江はぶらぶら堀端ほりばたを歩みながら、どこか静な土手際どてぎわで電燈の光のあかるい処でもあったらもう一度読み直そうという気もしたのである。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その寓していた家は麹町の土手三番町、甲武こうぶの電車の通る土手際どてぎわで、芳子の書斎はその家での客座敷、八畳の一間、前に往来の頻繁ひんぱんな道路があって、がやがやと往来の人やら子供やらでやかましい。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)